通関業法の改正(予定)について
今日のアンジュ
こんにちは 通関士の村田 博史です。
今年の10月に通関業法が改正されることが決定していますので
1967年以来、約50年間 実質的な改正が行われていない通関業法が
どのように改正されるのかを簡単に説明します。
財務省から配布された関税定率法の一部改正資料も併せて紹介します。
今までと大きく変わる部分は以下の2点のようです。
1)「通関業の営業区域制限の廃止」
2)「通関業務料金の最高額の定めの廃止」
(上記以外にも改正される部分はあります。)
1)通関業の営業区域制限が廃止されると
通関業者は全国どこの港でも新設の許可無しで通関業務を行うことが出来るようになるのです。
(現在は営業所を新設しようとすると所轄の税関長へ許可を受ける必要があり、
区域を所轄する税関から許可を受けなければその区域での申告は行えません。)
輸出入申告官署の自由化 概要説明(税関からの配布資料)
2)通関業務料金の最高額の定めが廃止
最高額の定めは、通関業者が著しく不当な料金を設定することがないよう、
その最高額を定めることで依頼者を保護しようとするものであるが、
平成 21 年 4 月に公正取引委員会が公表した「国際航空貨物の輸出入に係る競争実態について」に
おいては、こうした最高額の定めは「利用者の利益を害しているおそれがある」、
「維持する実益が乏しくなっている」とされている。
さらに、他の業法においても料金(報酬)の最高額を定めている例はほとんど見られず、
他の主な士法については平成 13 年から平成 16 年にかけていずれも自由料金制に変更されているとのことで
これに伴い、最高額の定めが廃止されて通関業者が各自で通関料金を決めることになります。
要するに独占禁止法の観点から廃止されるようですね。
改正後に通関業界がどのように変化していくのでしょうか?
しかし、規制緩和されるとその業界が廃れていく可能性が高いとは よく耳にする話しですが
国際物流の関所を守る税関と今後も連携していく必要がある業界だけに規制緩和の動きには
ならないと思っています。
ただ、日本国内では通関が無くならない限り、通関業者・通関士は不可欠な存在になるのですが
EU圏内にはそもそも通関士が存在しておらず、輸入する貨物に輸入者自身が責任を持って
物流会社へ貨物のHS CODEを伝えて輸入申告をしており、通関士という概念が無い
(通関士のライセンス自体が無い)と聞いております。
今回の通関業法の改正が日本全国の通関業界の発展につながるように祈っています。
それでは、また
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