春節が明けました
今日のアンジュ
こんにちは、通関士の村田 博史です。
先日の2/2(木)で中国は旧正月明けになりましたが
今年の春節期間は中国人旅行客が激減した観光名所があるとニュースで報道されていましたね。
都内や横浜のホテルは昨年・一昨年のような、どこも満室状態では無かったようです。
団体から個人へシフトして、旅館・ホテルから民泊利用が増えてきているらしいです。
中国人旅行客の爆買いは今年も相変わらずだったとのニュースもありましたが
爆買いブームは沈静化に向かっているとの報道も聞こえてきています。
要因はひとつではないと思いますが、確実なのは中国経済の低迷による旅行離れが
大きいのでしょう。
円高と、中国政府が海外購入品に掛ける関税の引き上げの影響もあるようですが
昨年からの対中国との輸出入貨物量の減少と並行していると思われます。
以下、トピックニュースからの抜粋です:
「中国国務院は2016年8月20日、政府の研究機関による分析結果を発表し、今年1年間の中国からの
輸出額は昨年に引き続き落ち込む見込みで、その減少幅も昨年を上回るだろうとの見通しを
発表しました。
国務院は海外の需要の落ち込みに加え、相対的に低コストの労働集約型の産業では従来は諸外国に
比べ優位に立っていたが、海外の需要の落ち込みでこのような産業は牽引力を失っていると説明しています。
中国の通関統計によれば、昨年1年間の輸出額は前年を1.8%下回り、14.14兆人民元(約214兆円)となったが、一方輸入額は10.45兆人民元(約158兆円)で前年を13.2%と大幅に下回ったとしています。」
ましてや財務省は発展途上国からの輸入品の関税を優遇する「特恵関税」の対象国を見直すと
発表しています。
中国、メキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアが「特恵関税」受益国の対象から外れる見通し。
この「特恵関税」を適用出来なくなった場合、関税が掛かったり今までより増えるため
輸入される商品価格が高騰する原因にもなります。
「特恵関税」制度の概要(税関ホームページより)
税関ホームページで中国の特恵適用が除外される品目が年々増えているのが判ります。
年々、日中間の貨物量が減ってきているのに特恵関税を受益出来なくなったら
中国との貨物量が増える見込みをたてるのは更に難しくなりそうです。
このことに中国政府は猛反発しているようですが・・・。
財務省は「特恵関税」の対象国から中国を外すのでしょうか?
GDP世界第2位とも言われる中国が発展途上国に該当すること自体がおかしいので
財務省の見解は妥当でしょうね。
しかし、中国人旅行客が訪日して爆買いする経済効果などを考えると
中国と貿易摩擦が起きるのだけは避けて欲しいと思います。
(アメリカと貿易摩擦が起きそうな雰囲気が漂っているだけに・・・)
世界の工場と呼ばれる中国が失速していくことが日本経済にも大きな影響を及ぼすのは
間違いないでしょうね。
マイナス方向に振れ続けている針を戻す方策があることを祈っています。
それでは、また
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