380通関ってなんだろう??
今日のアンジュ
こんにちは、通関士の村田博史です。
横浜港で通関業務を行っていると
アメリカ軍の貨物を横須賀基地や厚木基地へ納入する依頼を受けることがあります。
通関業者は通関業法で守秘義務が定められているので詳しくはお伝えすることが出来ませんが
米軍基地へ納入する貨物の輸入通関が特殊なのでご紹介します。
アメリカ軍用貨物は地位協定特例法に基づいて輸入通関を行っています。
どんな事情がある貨物でも輸入通関を行わなければ密輸になってしまいますからね。
但し、アメリカ軍用貨物は380通関・381通関と呼んで
アメリカ軍が発行する輸入申告書を税関の収納課へ提出すれば免税で
税関検査も免除されて輸入許可になるのです。
税関の通関部門ではなく、収納課へ申告書を提出して輸入許可になること自体が特殊なんですよね。
収納課は関税等の納付・徴収・担保に関する事務、 輸入貨物に関する証明事務を行う部門です。
380通関、381通関と呼ばれるのは
380・・・申告書の様式USFJ380(免税物品輸出入申告書)
381・・・申告書の様式USFJ381(軍納物品輸出入申告書)
それぞれの様式を使用して通関するのを略称しています。
380を「サンパーマル」って呼ぶのを 先輩から教わりました。
最初は何のことなのか想像もつきませんでしたが・・・。
アメリカ軍から提出される申告書には必ず認証官のサインが入っているもののみが有効で
サインが無いと無効となってしまう大変重要な書類なんですよね。
税関へ登録が無い将校のサインが入っていても無効となります。
昭和27年の「日米行政協定」を承継しているアメリカとの日米地位協定特例法。
アメリカ軍が免税申告書を提出してくるからには税関は貨物検査を行わない(免除になる)
ましてや、関税/消費税も徴収しない免税輸入(免税手続きしたものに限る)になる特例法。
「日米地位協定」では
日本にいるアメリカ軍兵士や軍属、その家族については、一般の外国人(アメリカ人を含む)と
異なる特別な地位が与えられています。
アメリカ軍に日本を守ってもらう以上は特別な権利を認めているとはいえ
アメリカ軍兵士が犯罪を起こしても米軍基地のなかに逃げ込めば、日本の警察が手を出せないのは
納得できない話しでもあります。
(公務時間外でかつ、米軍基地の外であれば日本の警察は逮捕できる)
特に米軍基地が多い沖縄県民の負担は非常に大きいものと思います。
今年起きた 「うるま市の強姦殺人事件」は記憶に新しいですね。
次期大統領のトランプ氏の政策によって
沖縄の人たちが米軍基地を減らして欲しいという願いが届けばいいのですが
安全保障問題を含めて、どうなるのでしょう??
外務省のホームページに日米地位協定Q&Aがありましたのでご紹介します。
それでは、また
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