う~ん、ちょっと納得いかない


今日のアンジュ


こんにちは、通関士の村田博史です。


今日は通関業務を行っていて不思議で納得がいかなかった事例を

ご紹介します。


皆様はワシントン条約ってご存知でしょうか?


絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約のことです。

輸出国と輸入国とが協力して実施することにより,採取・捕獲を抑制して

絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかるのが目的です。

詳しくは外務省のホームページを参照してください。  



で、何が納得いかないのか??


先日、あるお客様から日本の大手ドラックストア―で買い込んだ化粧品・紙おむつなどを

船積みしたいので輸出通関して欲しいとの依頼を受けました。

お客様より提出して頂いた資料を拝見すると大手メーカーが製造販売されたベビーローションに

アロエエキスが含有されているのが判りました。

世の中に出回っているアロエエキスの殆どが「キダチアロエ」もしくは「アロエベラ」の

どちらからしいです。


古くから日本で栽培されているアロエは「キダチアロエ」で食品や化粧品に利用されています。

傷や火傷の外用薬や胃腸の内服薬などの生薬としても使用されていますよね。

しかし、日本以外の国では「アロエベラ」が最も多く栽培されているみたいです。

「アロエベラ」は寒さに弱いので、日本の気候で栽培するのが難しいのもあるようです。


先程のベビーローションに含有されていたアロエエキスを調べたところ、

「キダチアロエ」だと判りましたが、 


これがダメなんです・・・・。 


以下のようにワシントン条約で決まっているのです。

「キダチアロエ」含有の化粧品を輸出する場合には、

経済産業大臣に輸出承認を申請し、ワシントン条約に基づくCITES許可書を

取得すること とされているのです。

しかし「アロエベラ」は、ワシントン条約の規制対象外となっているので承認を受けずに

何事もなく輸出することが出来るのです。

アロエには色んな種類があるなかで規制対象外になっているのは「アロエベラ」のみ なのです。

(輸入も同様にアロエは規制されています。)


え??   


色んなところで見かける「キダチアロエ」、 スーパーや薬局で誰もがカンタンに手に入るものが

輸出入するのに規制されているなんて・・・。


そのお客様は「キダチアロエ」がワシントン条約で規制されていることをご存知なかったようで

渋々、貨物を引き取りに来られました。


そりゃそうですよね。

どこにでもあって簡単に手に入るものだし、町中のお店で売っている商品を買って

それを海外に輸出して法令違反になるなんて。


それなら、メーカーはどうして商品のパッケージに

「キダチアロエ」エキス含有のため日本から持出しに厳重注意してください。

  ってパッケージに記載しないのだろう??

自分で使用する以外に外国人が日本国外に持ち出して販売することも想定出来るのに。

アロエエキス(1)とかアロエエキス(2)のような表示が記載されているだけで

どの種類のアロエなのかが判りづらい商品もありますからね。


「キダチアロエ」が絶滅保護に指定されている事も含めて

全てに納得いきません・・・・。

ワシントン条約で取り締まっているのなら注意喚起ぐらいは必要だと思います。


医者いらずと呼ばれる「キダチアロエ」がカンタンに輸出することが出来ないとは


(「キダチアロエ」、 まぁ 良く知っているアロエですね)


皆さま、

海外との貿易は日本では当たり前のことが当たり前でないこともありますので

規制されていないかを事前に調べるなりして、くれぐれもご注意ください。


輸出入されようとしている化粧品に含有されているアロエエキスは

「アロエベラ」と確認出来ていますか??



それではまた。


アンジュ観察記

白ペキニーズのアンジュです。 通関のお仕事を中心にワタシの身の回りに起きたことをお知らせしますね。 通関業者ムラロジのキャラクターになれるように頑張りますので応援してください。

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