知らないでは済まされない 個人輸入の落とし穴
今日のアンジュ
こんにちは、 通関士の村田博史です。
通関士として日々の輸入通関申告時に一番神経を使っている事、
それは海外から商品を輸入するのには色々な規制があることです。
インターネットの普及で今は簡単に海外からアイテムを買い付けることが出来ます。
しかし、以下のことを知っておかないと法令違反となり
輸入通関時に許可をうけられずに返品もしくは滅却しなければなりません。
場合によっては法令違反として罰則が適用されることがあります。
「知らなかった」では済まないことですのでご注意ください。
以下の2点は、特に海外から輸入する場合に知っておかなければならないことです。
1)薬事法の規制
医薬品・医薬部外品・化粧品を輸入するのは自分で使用するためでしょうか?
自分で使用するものと併せて
友達から頼まれた分を購入したり、プレゼントする目的で輸入するのは
業としての輸入になりますので厚生労働省の承認・認可を取得する必要があります。
自分で使用する場合においても数量に制限がありますのでご注意ください。
自分で使用する場合でも数量に関係なく、医師の処方箋が必要なアイテムは
輸入することが出来ません。
もっと詳しい内容・数量制限については厚生労働省のホームページを参照してください。
2)知的財産侵害の取締まり (業として商標登録されているアイテムを輸入する場合)
税関はブラントの偽物・コピー商品を厳しく取り締まっております。
インターネットで海外から購入した場合、輸入通関時に商標使用権の許諾書が無かったり
商標使用の正当性が認められないアイテムを業として輸入された場合は
輸入許可をうける事が出来ません。
「日本国内で買うより安いなぁ」「量が少ないから大丈夫だろ」
本当に大丈夫でしょうか?
購入ボタンをクリックする前に一度確認してください。
個人輸入にしても業として輸入したものと税関が判断する場合があります。
先日、あるお客様から会社の行事で社員にクリスマスプレゼント用として配るために
日本国内より安く買えることをインターネットの海外サイトで見付けて注文された
某ブランド靴の輸入通関の依頼をうけました。
しかし、通販サイトの管理会社から商標登録の使用許諾書を入手出来ないことで
税関から輸入を認められずに全量を滅却した事例が発生しております。
商品を滅却するにも税関が指定する場所でしか処分するのを認められておりませんので、
滅却する費用のほかに処分場への持ち込み費用などが掛かってきます。
そのお客様は社員のプレゼントとして輸入された某ブランド靴を全量滅却するのに
かなりの費用をお支払いになられました。
お金を支払ったのに欲しかったものが手に入らないだけでなく
このようにブランド品には商標権があることを知らずに輸入して多大な金額の損失が出るばかりか、
知的財産侵害という違法行為となりますのでご注意ください。
たとえ個人使用の目的としても偽ブランドを輸入することはヤメテください。
これら以外にもワシントン条約に抵触するアイテム・食品申請を要するアイテムなどがたくさんあり
海外から輸入される場合は細心の注意が必要です。
それらは今度の機会にご説明したいと考えています。
では、また。
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